彼氏のいない三十路女が６ヶ月で結婚する話

二十歳から大阪に住んで十数年。

仕事も順調、独身貴族だから稼いだお金は好きに使う。
パンツ一丁でビールを飲んでも、休みの日に１歩も動かなくても(生理現象は我慢出来ないためトイレと冷蔵庫は例外)、誰にも咎められない。

自由！

楽ち～ん( ￣▽￣)

と、いったお気楽な生活をしていた三十路女。ひとりって最高。何で、みんな結婚するんだろう？既婚者ってだいたいご主人の悪口しか言ってないし、さぞや窮屈なんでしょう。結婚の何が幸せなんだ？て、思ってた。

ところがですよ…

とある７月の日曜日。朝７時。九州の父から着信あり。
休みのため、もちろん寝ている私。寝ぼけながら電話に出たら、

「お前、いい加減にしろ！」

怒られた(￣□￣;)!!
「今すぐ仕事を辞めて、帰ってこい！こっち(地元)で結婚して出来たら近くに住め！」
てな、内容の話を延々20分。
「いいな！」

「…はい…」

折れました。

女は結婚して子供を産み育てるのが当然。いつまでもひとりとは何事だ (いかず後家は恥だぁ)！て考え方。父はその典型。

別に結婚しなくてもさー、寂しくないしひとりでちょい優雅に生活出来るんだから良いじゃないのよー。結婚してない人生の先輩もたくさんいらっしゃる。

でも…

二十歳まで育ててくれた両親。贅沢ではなかったけど、不自由の無い生活。今、自分があるのは、両親があってからこそ…。

親孝行できるのは親が生きているうちだよ！って誰かが言ってた。

その通りだよなー(´Д｀)

よっしゃ！帰って親孝行しよ。
大阪は楽しいけど、ここじゃなきゃ嫌！なんてこだわりも無いし。住めば何処だって都だし。てか、二十歳まで住んでたし(笑)

すんなり決心できたのは、父の長年による刷り込みもあったと思う。実家に帰省するたび、判で押したように「早く結婚して子供を産め。出来たら近くに…以下略」「うん。そのうちね」と私。約10年程、繰り返された会話。

…あ、怒るよね。父からしたら、本当いい加減にしろ！だわ(汗)

で、仕事は引き継ぎやら何やらで無事退職し、翌年４月に地元帰りました。

しかし、結婚しようにも相手がいなきゃ始まらない。先ずは出逢わなければ。
その為には就職かなー？
ということで、ハローワークへ。実はハローワークて初めて。ドキドキ。面談？みたいなのがあって、職員の方(年配のおじちゃん)に「前の職場を辞めた理由は何ですか？」と鋭い顔で聞かれた。取り調べ？…こわい～。
「父に帰ってこいと言われまして…」ありのまま答えました。「そうでしたか～。それはそれは」と、急に柔らかくなる職員の方。「お父さんはいくつ？私にも娘が…うんたらかんたら」

出逢いも、もちろんだけど仕事しなきゃ。仕事のない田舎まちでも、資格のおかげで再就職もすぐ決まった。これも父母に感謝。資格は絶対にあった方が良いと学校に通わせて頂きました！

で。

父ばかりでしたが、ここで母が登場。

「あのね、いい人がいるんだけど」

出たー！(゜ﾛ゜;ﾉ）ﾉ
これはまさかのお見合い！しかし！
「…う～ん。会ってみる」
選択肢はあった方が良いと思った。

「写真とかある？」と聞くと「たしか、あったよ。職場の旅行の時の。」同じ職場の人で名前はＭ君。探しに行く母。

テレビを観ながら待つ私。

あれ？30分以上経ってない？

「ないの？」母の居る部屋へ行く。
「たしか、あったと思うんだけどねー。あれー？」母は少し(いや、結構)トロい。前もって準備するとか、何故しない？

「あっ！あった！」

はいっと渡された写真を見る。

どれどれ。

車内で３～４人の男の人達がニッコリ笑ってる、一番手前の人。…歯並びが悪い。茶髪。お肌が荒れてる。

が、第一印象。はっきり言って「無いわー」と思った。

しかし、なんのあてもないのが現状。動かなかけりゃ始まらない。

当日。実際に会ったＭ君は、思った以上に無口でおとなしい。チャラチャラしているより、ずっと良いけど。同席していたＹさん(またまた同じ職場の方で母と友達)に言われるがまま、アドレスを交換する私とＭ君。

ま、脈があるなら連絡が来るでしょ。

２日後。謎のLINEスタンプがきた。アラレちゃんにでてくる何とか君(名前忘れました)。スタンプひとつ( ・◇・)？

どうやら、食事に誘おうと何度も内容を修正していたら、当時LINEに慣れていなかったため、間違えて押してしまったらしい。慌ててフォローがきた。その流れで後日、会う約束をした。
今、思えば微笑ましいが、当時の私は「やっと連絡がきた。もー、ちゃっちゃと誘わんかい」と、かなり上から目線。

だってね…、結婚(相手がいる悦びやら安心とか)に対して何も期待していなかったし、体力があるうちにポーンと子供を産んで、二十歳まで育てて自立させたらあとは自由になるんだーー！

と、いった簡易的な目標だったもので。

そして脈ありと察知し、Ｍ君と結婚するだろうなと直感した。

新しい職場でも、ざっと見渡してみたけどやはり仕事する場所であって、婿探しは失礼だと思いアンテナを張らないことにした。

Ｍ君は結婚願望があり、私のことも気に入ってくれたので、その後の展開はあっという間だった。８月、お互いの両親に挨拶し、新居を探し…９月、式は行わない代わりに、お互いの親族の顔合わせ、10月に引っ越し、そして入籍。
出会って６ヶ月で結婚した。

結婚してちょうど１年たった今、３ヶ月になる息子がおり、新居を建設中(12月完成予定)。

30過ぎまでダラダラと生きてきたけど、この１年と半年は人生のイベントを凝縮しまくっている。

不思議と目標をかかげて、やるぞー！と決めたらカチッてスイッチが入ったみたいに物事が進んでいる。

あ、あれの御利益か？
いつだったかパワースポットに行った時、ブタのグッズ(キーホルダーか置物だったか思い出せない…)を買った。

トントン拍子～( ￣▽￣)アハハ～

って思いながら買った。

ともあれ、彼氏のいない三十路女が、結婚願望が無くてもタイミングが合えば６ヶ月で出来ちゃうんですね。
父母も、孫に会ったらデレデレして嬉しそうだし、それを見て私も嬉しいし。帰ってきて良かったと思う。

Ｍ君(私もＭさんになったけど)は優しいけど無口。すんごーい無口。これが原因で私達は一時期危なかった。けど、長くなるのでこの話はまた後に書くことにします。

ここまで読んで頂きありがとうございます。ではでは( ・∇・)